ディスプレイというと「有機EL」や「4K」など耳にしたことがあるけど、実際にそれが何なのか分からない という方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事ではディスプレイの基本的な知識はもちろん、少し専門的な部分についても解説します!
ディスプレイ仕様表「それぞれが何を意味しているのか分かる」というところまで理解を深めて貰えればと思います。
目次
ディスプレイの仕様で何が分かる?
例えば、スマホやタブレットなどを選ぶ際に「ディスプレイ表示が綺麗かどうか」って結構重要なポイントですよね?
ディスプレイ仕様を確認することで「ディスプレイの表示品質」を把握することができます。つまり、そのディスプレイが「どのくらい綺麗な画質で表示できるのか」が分かるというわけです。
ディスプレイ仕様の具体例
まずは具体例として、いくつかスマホやタブレット端末のディスプレイ仕様を確認してみましょう。
- Super Retina XDRディスプレイ
- 6.1インチ(対角)オールスクリーンOLEDディスプレイ
- 2,532 x 1,170ピクセル解像度、460ppi
- HDRディスプレイ
- True Tone
- 広色域(P3)
- 触覚タッチ
- 2,000,000:1コントラスト比(標準)
- 最大輝度800ニト(標準)、ピーク輝度1,200ニト(HDR)
- 耐指紋性撥油コーティング
- 複数の言語と文字の同時表示をサポート
- サイズ:約11.6インチ
- 画面占有率:88.14%
- 解像度:2800 x 2000
- リフレッシュレート:最大144Hz
- タッチサンプリングレート:120/144Hz
- 色域:NTSC カバー率96%、DCI-P3 カバー率97.4%
- 色差:DeltaE<2
- 色彩深度:10億色
- ピクセル密度:296PPI
- 輝度:500nit
- パネルタイプ:LCD (LTPS)
- WQHD+ 6.73インチAMOLED
- 3200 x 1440、522ppi
- LTPO、AdaptiveSync Pro
- リフレッシュレート:ダイナミック1~120Hz
- タッチサンプリングレート:最大240Hz
- OLED材料タイプ:XiaomiカスタムC8ディスプレイパネル
- 輝度:HBM 1000nit(標準値)、3000nit(ピーク輝度)
- Pro HDRディスプレイ、UltraHDRをサポート
- Dolby Vision、HDR10+
- 680億色
- 色域:DCI-P3
- TrueColorディスプレイ
- アダプティブカラー
- オリジナルカラープロ
- アダプティブ読書モード
- サンライトモード
- DC調光/1920Hz PWM調光
- TÜV Rheinland低ブルーライト(ハードウェアソリューション)認証済み
- TÜV Rheinlandフリッカーフリー認証済み
- TÜV Rheinlandサーカディアンフレンドリー認証済みXiaomi Shield Glass
どうですか?
それぞれ「どこがが優れているのか」「どこがイマイチなのか」分かりますか?
正直聞いたことない用語も多いかと思います。しかし、それぞれ何を意味しているのか理解できれば、これらの仕様を見るだけでディスプレイの良し悪しをある程度見分けることが可能になります。
ディスプレイの基本情報の内容
メーカーによって表記内容が大雑把だったりもしますが、一般的に「ディスプレイの仕様」として表記される情報には以下のようなものがあります。
では、それぞれの項目について詳しく解説していきたいと思います!
ディスプレイパネルの種類
2024年現在、スマホやテレビ・タブレット端末・PCモニターなど多くのディスプレイで、液晶もしくは有機EL (OLED) が利用されています。
液晶・有機ELともに技術進歩が著しく、それぞれデメリットを克服するような技術も登場しているため、甲乙つけがたい状態です。ただ、近年の傾向としては有機ELが徐々にシェアを拡大しており、今後さらに多くのデバイスで採用されることが予想されています。
液晶パネル
液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)は、バックライト(光源)からの光を液晶とカラーフィルターを用いて画像表示させるディスプレイ技術。
液晶ディスプレイの基本構成
液晶ディスプレイは以下のような「層」で構成されています。
カバーガラス | 外部の衝撃や傷からディスプレイを保護。 |
---|---|
タッチセンサーレイヤー | タッチ入力を感知。 |
偏光フィルター(前面) | カラーフィルターを通過した光を再び偏光し、最終的な画像品質を向上させる。 |
ガラス基板(前面) | 液晶層やカラーフィルター層を支える。 |
カラーフィルター層 | 各画素は3つのサブピクセルで構成されており、それぞれに赤(R)・緑(G)・青(B)の「カラーフィルター」を1つずつ配置。バックライトからの光がこのカラーフィルターを通過することで、各画素の中に赤・緑・青の光が生成される。赤・緑・青は光の三原色なので、この組み合わせによりその他の色を表現できる。 |
液晶層 | 各画素のサブピクセルに配置された「液晶セル」が光の透過率を調整することで明るさを制御。これにより、カラーフィルター層を通過して生成される赤・緑・青の光は濃淡を表現できる。そして、これらを組み合わせることで様々な色を表示することが可能となる。 |
ガラス基板(後面) | 液晶層やカラーフィルター層を支える。 |
偏光フィルター(後面) | バックライトからの光を偏光する。光が一方向に揃うことで、液晶分子が光の透過を制御するのに役立つ。 |
バックライト層 | 均一な白色光を発する。現在LEDバックライトが一般的。 |
液晶は電界によって分子の向きを変えることができるという性質を持っており、液晶層に「液晶セル」として配置されています。この液晶セルに電気信号を送って液晶分子を配置変化させることで、バックライトからの光を通す量(透過率)を調整しています。
メリット・デメリット
有機EL(OLED)パネル
有機EL(Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイは、電気信号を直接光に変換する有機EL素子を用いて画像を表示するディスプレイ技術。
有機ELディスプレイの基本構成
有機ELディスプレイは以下のような「層」で構成されています。
カバーガラス | 外部の衝撃や傷からディスプレイを保護する。 |
---|---|
タッチセンサーレイヤー | タッチ入力を感知する。 |
封止層 | 有機層を外部の湿気や酸素から保護する。 |
陽極 | 有機発光層の上に配置される透明な導電性層で、正の電荷を供給する。 |
有機EL層 | 電流が流れることで有機EL素子自体が発光する。 基本的には、各画素の中に「赤・緑・青」それぞれの色を発光する有機EL素子が配置され、これらの色を組み合わせて、様々な色を表現するという仕組みになっている。 |
陰極 | 基板の上に配置される金属層で、電子を供給する。 |
基板 | ディスプレイ全体を支える基礎部分で、ガラス・金属箔・プラスチックなどで作られる。 |
有機EL素子は、有機化合物から構成された薄膜で、この薄膜を挟んで陽極と陰極が配置されています。有機EL素子に電気信号を加えると、陽極から陰極への電流が流れて有機化合物が励起状態になり、放出されたエネルギーによって発光を引き起こします。この発光により有機EL素子から直接光が出て、画像を表示することができるというわけです。
メリット・デメリット
パネル方式 とは?
液晶ディスプレイの「パネル方式」
パネル | パネル方式 | |
---|---|---|
液晶(LCD) | 駆動方式 =画素の制御方法 | アクティブマトリックス方式 パッシブマトリックス方式 |
表示方式 =液晶の配置方法 | TN方式、VA方式、IPS方式 など | |
バックライト方式 =バックライトの種類や配置の違い | 冷陰極蛍光ランプ、LED | |
直下型、エッジ型 |
液晶ディスプレイにおける「パネル方式」と言うと、一般的には「表示方式の違い」について表記される事が多いです。
駆動方式
駆動方式とは、液晶や有機ELなどのディスプレイ技術における画素の制御方法を指します。現在、アクティブマトリックス方式が主流で、スマホやタブレット、ノートPC、モニター、テレビなど多くのディスプレイに採用されています。
各画素のサブピクセルを薄膜トランジスタ(TFT)によって個別に制御する方式。
表示方式
表示方式は液晶分子の配置方法の違いを指します。
それぞれの特徴を比較すると以下のようになります。
TN | VA | IPS | |
---|---|---|---|
視野角* | 狭い | 中程度 | 広い |
色再現性* | 低い | 中程度 | 高い |
コントラスト比* | 低い | 高い | 中程度 |
応答速度* | 非常に速い | 中程度 | やや遅い |
価格 | 安価 | 中程度 | 高価 |
おすすめ用途 | ゲーミング | 動画鑑賞(明暗の表現力が優れているので、特に映画鑑賞がおすすめ) | 動画鑑賞、グラフィックデザイン、映像編集など |
現在最も主流なのはIPS方式で、スマホやタブレット端末、PCモニターなど多くの製品に採用されています。TN方式は主にゲーミングモニターやコスト重視のオフィスモニターに使用され、VA方式はテレビや高画質モニター、映画鑑賞向けのディスプレイに使用される事が多いです。
バックライト方式
バックライト方式は、液晶ディスプレイの光源であるバックライトの種類や配置方法の違いを指します。現在バックライトの種類はLEDが主流で、配置方法はエッジ型(お手頃価格のテレビで主流)直下型(高画質を重視する製品で主流)があります。
バックライト(LED)をディスプレイの周囲に配置し、光を画面全体に拡散させる方式。手頃な価格帯のテレビやモニターで採用されることが多いです。
バックライト(LED)をディスプレイの裏側に均等に配置し、直接画面を照らす方式。スマホやタブレット端末などの小型デバイス、高画質なテレビやモニターで採用されことが多いです。
ミニLED(Mini LED)は「バックライト方式」の1つ!
最近「ミニLEDテレビ」や「Mini LEDモニター」など ミニLED(Mini LED)という言葉を耳にする機会が増えましたが、これはLED+直下型のバックライト方式の1つになります。
ミニLEDでは、光源(バックライト)に0.1mm以下と非常に細かいLEDを使用。従来よりも最大輝度が高くなるだけでなく、明暗の細かな調節も可能になっています。そのため、鮮やかな色の表現(特に黒は白っぽさのないより深い黒色)となり、引き締まった映像が楽しめます。
有機ELディスプレイの「パネル方式」
パネル | パネル方式 | |
---|---|---|
有機EL(OLED) | 駆動方式 =画素の制御方法 | アクティブマトリックス方式(AMOLED) パッシブマトリックス方式(PMOLED) |
カラー発光方式 =色を生成する方法 | RGB方式、WOLED方式、PHOLED方式、タンデム方式 など | |
基板方式 =基板の材質や形状の違い | 材質:ガラス、金属箔、プラスチック(POLED)など | |
形状:フレキシブル(Flexible)、折りたたみ(Foldable)、巻取り(Rollable)など |
有機ELディスプレイのパネル方式については特に表記されないことも多いですが、一応それぞれの方式について簡単に説明しておきます。
駆動方式
駆動方式は、液晶や有機ELなどのディスプレイ技術におけるピクセル(画素)の制御方法を指します。有機EL(OLED)ディスプレイの駆動方式も液晶パネルと同様にアクティブマトリックス方式が主流です。
仕様表に「AMOLED」と表記されることがありますが、これはアクティブマトリックス(active-matrix)方式の有機ELディスプレイという意味になります。
各画素のサブピクセルを薄膜トランジスタ(TFT)によって個別に制御する方式。
カラー発光方式
有機ELディスプレイは、各画素のサブピクセルに配置された「赤(R)・緑(G)・青(B) の有機物質」が直接発光するというのが基本的な仕組みですが、このカラー発光方式にはいくつか分類があります。
基板方式
基板はディスプレイ全体を支える土台のような役割を果たします。基板方式は、基板の素材と形状で分類されます。
解像度
ディスプレイに並んでいる画素(ピクセル)の数を示すもので、表示される画像やビデオの精細度や鮮明度を決定する要素の1つ。一般的に画面の「横のピクセル×縦のピクセル数」で表されます。
代表的なものとしては以下です。
※FHD+ や WQHD+ ように「+」が表記されている場合は、それよりも高い解像度を意味します。
画素密度(PPI)
画素密度 (PPI:Pixels Per Inch) とは、1インチあたりに表示されるピクセル数のことで、ディスプレイの精細度を評価する重要な指標です。特にスマートフォンやタブレットなどの小型ディスプレイの画質評価によく使用されます。
基本的に、この画素密度(PPI)が高いほど、ディスプレイ表示がより細やかで鮮明になります。
ただし、これは画質を決定する要素の1つに過ぎません。画質は「精細さ」以外にも「色表現」や「明るさ」なども関係してきます。そのため、画素密度以外の要素もしっかりと確認して判断することが重要です。
PPI=√(縦ピクセル2+ 横ピクセル2)÷画面サイズ
例として「iPad(第10世代)」と「Xiaomi Pad 5」の画素密度(ppi)を計算して比較してみます。
iPad(10世代) | Xiaomi Pad 5 | |
---|---|---|
画面サイズ | 10.9インチ | 11インチ |
解像度(縦ピクセル×横ピクセル) | 2360×1640 | 2560×1600 |
計算すると、iPad(第10世代)は「約264ppi」、Xiaomi Pad 5は「約274pp」となりました。
この結果から、スペック上では「Xiaomi Pad 5」の方がより高精細なディスプレイということが分かります。
アスペクト比
アスペクト比とは、ディスプレイおける横幅と縦幅の比率のことです。例えば、先述した解像度では、アスペクト比は以下のようになります。
アスペクト比 | 解像度 |
---|---|
16:9 | 1920×1080(FHD) 2560×1440(WQHD) 3840×2160(4K) 7680×4320(8K) |
16:10 | 1920×1200(WUXGA) 2560×1600(WQXGA) |
現在、スマホでは「20:9」や「21:9」、テレビでは「16:9」、ノートPCやタブレットでは「16:9」や「16:10」 というのが一般的。主にノートPC・PCモニター・タブレット端末を選ぶ際の重要ポイントとなります。
アスペクト比の違いは「表示される情報量」に影響を与えます。特に上の画像のように、縦方向の情報の表示量が増えることで「ブラウジング」や「オフィスソフトの利用」がより快適になります。
色域
ディスプレイの色域は、そのディスプレイが再現できる色の範囲を指します。色域が広いほど、発色がよく鮮やかなディスプレイ表示が可能です。
色域の規格として代表的なものは以下です。
色域の表記例
一般的に色域の表記は「色域の規格とパーセント(%)」で表示されます。ただし、中には「sRGB」や「DCI-P3をサポート」というように、パーセント(%)の表示がない場合もあります。この場合はその色域を100%再現できるものと考えてもらって大丈夫です。
色深度
ディスプレイの色深度は、各画素が表示できる色の数を指します。色深度が高いほど、より滑らかなグラデーションや細かい色の変化を表現できます。
一般的な色深度は以下の3つです。
8bit(24bit) | 各画素にある3つのカラーチャンネル(赤、緑、青)各色に 8bit=28(=256)階調の濃淡が割り当てられ、28×28×28=1677万7216(約1677万)色表示できる。 |
---|---|
10bit(30bit) | 各画素にある3つのカラーチャンネル(赤、緑、青)各色に 10bit(=1024)階調の濃淡が割り当てられ、210×210×210=10億7374万1824(約10億7000万)色表示できる。 |
12bit(36bit) | 各画素にある3つのカラーチャンネル(赤、緑、青)各色に 12bit(=4096)階調の濃淡が割り当てられ、212×212×212=687億1947万6736(約687億)色表示できる。 |
液晶とOLEDでの色表現の違い
つまり、「色深度」というのは、液晶ディスプレイでは透過率の調整能力、有機ELディスプレイでは発光強度の調整能力を示しているわけです。
輝度
光の明るさを表す物理量。ディスプレイの輝度を表す場合の単位はnits(ニト)が一般的です。高輝度のディスプレイは、明るい環境でも画面が見やすく、コントラストが際立つように設計されています。
ディスプレイの輝度には以下のような種類があります。
標準輝度 | 通常の使用時にディスプレイが達する明るさ。 |
---|---|
最大輝度 | ディスプレイが通常の使用条件で持続的に発揮できる明るさの上限。 |
ピーク輝度 | 特定のシーンや条件下で一時的に達する最大の明るさ。 高いピーク輝度は、映像品質の向上(明るいシーンをよりリアルにする)や 屋外での視認性向上(直射日光下でも画面が見やすい)などの利点があります。 |
また、輝度の種類とは別にHBM(High Brightness Mode)という輝度設定があります。これは、一時的にディスプレイの輝度を通常の最大輝度を超えて引き上げ、特に明るい環境での視認性を向上させるモードです。
コントラスト比
ディスプレイの明暗の差を指す指標。具体的には「最も明るい白」と「最も暗い黒」の輝度の比率を示します。高いコントラスト比では色彩の深みや立体感を強調され、よりリアルで鮮明な映像表現を可能とします。
HDR
HDR(High Dynamic Range)は、映像や画像の明るさや色の範囲を拡大し、よりリアルで鮮やかな表示を可能にする映像の規格・技術です。
従来のSDR(Standard Dynamic Range)よりも、広い輝度範囲と広い色域、そして高い色深度を提供します。これにより、明るい部分と暗い部分のディテールが豊かになり、自然で鮮やかな色彩を再現できます。
HDRには以下のような規格があります。
色深度 | 最大輝度 | メタデータ | 概要 | |
---|---|---|---|---|
HDR10 | 10bit | 最大1000ニト | 静的 | 最も普及しているHDR規格。静的メタデータを使用しているため映像全体で1つの設定が適用される。 |
HDR10+ | 10bit | 最大1000ニト以上 | 動的 | HDR10を拡張した規格。動的メタデータを使用し、シーンごとに最適な明るさとコントラストを調整。 |
Dolby Vision | 最大12bit | 最大4000ニト | 動的 | Dolbyが開発したHDR規格。動的メタデータを活用して、シーンごとに最適な映像を提供。 |
HLG | 10bit | 機器に依存 | なし | BBCとNHKが共同開発した規格。放送に適しており、HDRとSDRの互換性が高い。 |
※「Pro HDR」や「Ultra HDR」といった表記は具体的な規格ではなく、メーカーが製品のHDR技術を強調するために使用するマーケティング用語になります。
コンテンツ側も対応する必要あり
ディスプレイ仕様にHDR、HDR10+、Dolby Vision対応という表記があっても、コンテンツ側(動画やゲーム)が対応していなければ、これらのHDR規格での映像体験はできません。
デバイス側とコンテンツ側が同じHDR規格に対応している場合に限り、そのHDR規格の効果をもたらします。
結局のところ「色域・色深度・輝度・コントラスト比」が重要
HDRはあくまで映像の規格なので、同じHDR規格に対応したデバイスであっても、ディスプレイ性能によって表示品質に差が出ます。
つまり、HDRの効果を引き出すには
が重要で、単純に高性能なディスプレイである事が望ましいというわけです。
リフレッシュレート
リフレッシュレートとはディスプレイが1秒間に画面を何回更新するかを示す指標です。単位はヘルツ(Hz)表されます。一般的なディスプレイでは「60Hz」が標準値となっており、1秒間に60回の画面更新が行われています。
高リフレッシュレートは映像を滑らかにする
リフレッシュレートが高いほど画面の更新回数が多くなるため映像は滑らかになります。具体的には以下のような効果があります。
ただし、高リフレッシュレートは消費電力が増加します。
映像を滑らかにするには FPS(フレームレート)も重要!
高リフレッシュレートには確かに映像を滑らかにする効果があります。ただ、ゲームやスポーツ観戦などの映像が滑らかにするにはFPS(フレームレート)も重要です。
FPS(フレームレート)とは、動画コンテンツやゲームが1秒間に生成するフレーム(静止画)数を示す指標で、60FPSのコンテンツは1秒間に60フレームが生成されます。
リフレッシュレートとFPSの関係について
リフレッシュレート | ディスプレイが1秒間に画面を更新する回数 →ディスプレイ側の設定 |
---|---|
FPS(フレームレート) | 動画コンテンツやゲームなどが1秒間に生成する静止画の数 →動画コンテンツ側の設定 |
リフレッシュレートとFPS(フレームレート)は相互に関連しています。そのため、「高リフレッシュレート+低FPS」や「低リフレッシュレート+高FPS」という場合、そのパフォーマンスを十分に活かすことができません。
例えば、60fpsに設定したゲームをリフレッシュレート「120Hz・60Hz・30Hz」で動作させると、それぞれ以下のようになります。
「映像の滑らかさ」や「電力消費の効率性」といった点から、リフレッシュレートとFPSは一致させることが望ましいと言えます。
FPSに合わせて自動でリフレッシュレートを調節する技術
ハイエンド端末では、リフレッシュレートを常に最適な状態に維持する機能を搭載していることが多いです。例えば、「Adaptive Sync」や「ProMotionテクノロジー」などの表記があれば、リフレッシュレートを動的に調節してくれます。
AMDが開発し、VESA(映像機器やディスプレイ技術に関する標準を策定する業界団体)によって標準化された可変リフレッシュレート技術。ハイエンドのAndroid端末に採用されることが多いです。
FPS(フレームレート)とリフレッシュレートを動的に同期させることで、映像のティアリング(画面のズレ)やスタッタリング(カクつき)を軽減し、滑らかな表示を実現します。
Appleが開発した動的リフレッシュレート技術で、iPad Proシリーズ や iPhone Proシリーズに搭載されています。リフレッシュレートを10Hzから120Hzまで動的に調整し、滑らかなスクロールや高レスポンスのタッチ操作を提供しつつ、電力消費を抑えます。
タッチサンプリングレート
画面上でのタッチ操作をどれだけ精密に検知・反応させるかを示す指標。具体的には、1秒間に何回デバイスがタッチ入力を検出するかを表します。例えば、タッチサンプリングレートが120Hzの場合、デバイスは1秒間に120回タッチを検知し、その反応を画面表示させることを意味します。
タッチサンプリングレートが高いほど、タッチ操作の応答速度が向上し、より正確なタッチ入力が可能です。最新のミッドレンジ端末では最大120Hz〜240Hzに対応していることが多く、この辺が現在(2024年)の標準値と言えます。
表記がない場合は?
未表記の項目に関しては、基本的に「標準的な仕様」もしくは「あまり良い仕様ではない」のどちらかになります。
まとめ
ディスプレイ仕様で、特に押さえておきたいポイントは以下になります。
精細さ (画質の細かさ) | 画素密度 (ppi): 画面サイズと解像度に基づいて、1インチあたりのピクセル数を示す |
---|---|
色の表現 | 色域・色深度: ディスプレイが表示できる色の範囲、色の階調を表す |
明るさ | 輝度: 最大輝度を示し、ディスプレイがどれだけ明るく表示できるかを表す |
明暗の表現力 | コントラスト比: 明るい部分と暗い部分の差を表し、詳細な画像表現に影響する |
映像の滑らかさ | リフレッシュレート: 画面の更新速度を示し、映像やアニメーションのスムーズさに影響します |
これらの仕様が「ディスプレイ性能」にかなり影響しています。そのため、スマホやタブレットなどを購入する際には、ぜひ確認するようにしてみましょう!